1950年 Yチェア / ハンス・ウェグナー:北欧を代表する椅子デザイナー
ウェグナーの作品の中でも大ヒットした商品で、日本人には特に人気があり
輸入家具の中で最も販売されているそうです。
私の周りにも愛用している方、結構います。
チャニーズチェアが発売されてから5年後、『チャイニーズチェア系統の椅子、でも食卓椅子』
というデザインの依頼がきました。
チャイニーズチェア → ザ・チェア → Yチェア とリデザインされていきました。
チャニーズチェアやザ・チェアでは長い笠木(バックレスト)でテーブルの前に座った際
身体の出入りができませんでした。
そこでYチェアは笠木を身体を動かしてもきっちりとホールドしてくれるぎりぎりまでにし、
それを支える後ろ脚が大きくカーブしていることにより身体の出入りが楽になっています。
これが食卓椅子として広がった要因かもしれません。
そして、チャニーズチェアやザ・チェアと大きく違う点が
一度に多く生産できるよう、機械加工できる部品点数を多くし価格を抑えたところです。
背あて部分はY字形でわずかなカーブですが、精度を上げるために成形合板にしていたり
座面のペーパーコードは座面奥にスリットを入れ、そこで編むようにしています。
大量生産品にしつつも、デザインは美しく高品質の椅子として成功した商品といえます。
撮影場所:東京都美術館、名古屋高島屋、ドロフィーズカフェ