1947年 シェーカーチェアJ39 / ボーエ・モーエンセン:デンマークの家具デザイナー
機能主義に徹し、シンプルで直線的、装飾のないシェーカーチェアがモチーフになっています。
1770年代からシェーカー教徒が自分たちで使う家具を作りはじめ
その後、外部への販売も行い教団運営の収入源になっていきました。
モーエンセンはデンマーク生活協同組合(FDB)の家具デザイナーとして活躍していたころ
一般市民が日常生活で使える、美しくて安くて丈夫な家具を作りだすことに注力しました。
材は当時流行していた輸入材は使用せず、豊富に手に入る
ビーチ(ブナ)、オーク、エルム(タモ)などを使用しています。
他にも直線的な材にして加工の手間を減らす、部材の数を減らすなどをして
安価で質の良いシンプルな椅子を作り出しました。
コンパクトなので小さめのダイニングテーブルにも合いそうですが
国産の椅子に比べて座面は高いため、脚をカットする必要はあるかもしれません。
あまり傾きのない後ろ脚ではありますが、カーブがかった背もたれが背中にフィットして
姿勢がよくなる感じがします。
ちなみに、モーエンセンとYチェアのウェグナーとは親友だったとされています。
ウェグナーもシェーカー・ロッキングチェアを作っています。
デザイナー同士、相談したり刺激しあったりしてたのかなと想像しますね。
シェアーカーチェアは別名『ピープルズチェア=みんなの椅子』と呼ばれていて
デンマークの一般家庭でよく使われています。
撮影場所:武蔵野美術大学、東京都美術館