1963年 / ハンス・ウェグナー:北欧を代表する椅子デザイナー
ウェグナーが第二次世界大戦後、成形合板による家具作りに挑戦した中の一つです。
とても印象的なフォルムで『シェル』とついている通り、
横からのアングルが貝が口を開いたような形に見えます。
(画像はありません・・・)
当時としては前衛的なデザインで業界では注目を集めましたが
同時に批判的な意見も多く、一般的には受け入れられませんでした。
1963年に発表されますが、2年のほどで製造されなくなります。
その後1998年にカールハンセン&サンから復刻され大きな反響を呼び、現在も生産され続けています。
時代が追いついていなかったんですね。
特徴は何といっても緩やかなカーブを描く成形合板の座面です。
両サイドは先端にいくほど細くなり、反り上がっています。
低い位置にこの広い座面はどっしりとした安定感を感じます。
そしてこちらも成形合板の3本脚。前脚は一体でつながっているんです。
3本脚の椅子だと有名なところで
・アルヴァ・アアルトのスツール60
・アルネ・ヤコブセンのアントチェア(初号)
がありますが、イージーチェアでは珍しいように思います。
発表当時に評価されなかったのは残念ですが、
こうして現代に復刻され日の目を見ることができたのは
ウェグナーのチャレンジ精神の賜物ですね。
撮影場所:武蔵野美術大学、ドロフィーズカフェ